「さしがね」はものの長さを測る大工道具の測定器です。表と裏で目盛が違ったり使い方も違ったり正しく使うのはなかなか難しいもの。今回はそんなさしがねの目盛についてご紹介します。
さしがねとは?
L字の形をした金属製のものさしのことです。かねじゃく、まがりかねなどとも呼ばれます。様々な使い方ができるので、木工DIYには欠かせない存在ですね。
ちなみに長い方と短い方がありますが
長い方 → 長手
短い方 → 妻手(短手)
と呼ばれています。
さしがねの使い方
それではさしがねの基本的なテクニックをご紹介します。
墨付けで直角に線を引く
墨付けとは木材に加工用の印をつけることで、絵でいう下書きのようなものです。このテクニックはさしがねの基本。さしがねを木材に引っ掛けるようにして、直角に線を引きましょう。
・動画でも墨付けを解説
動画で見てみたい方はこちらをご覧ください。ありがちな間違った墨付け方法も紹介しています。
等分割する
さしがねを使えば、簡単に木材を等分割することができます。方法は、
1.木材の端にさしがねの角を置く
2.「10」や「15」など割り切れる数の目盛りを反対側の端に置く
3.等分割したいポイントに印をつける
この3ステップ!写真では3分割するために「80」「160」の場所に印をつけています。
直角を確かめる
さしがねのコーナー部分を使って、正確な直角になっているか確かめられます。
30度、45度、60度の角度を測る
差し金をつかってこれらの角度の線を測ることもできるんです。
・45度の場合
角(0)から同じ目盛の位置にさしがねをあわせると、その角が45度になります。
・30度、60度の場合
AとBの長さが2:1となるように三角形を作れば、鋭い方の角度が30度、広い方の角度が60度になります。ちなみにこの方法を応用すれば様々な角度が測れます。ちょっと数学的なことが必要ですが、分度器がないときは使ってみてください。
・30度、60度も動画で解説
30度と60度の測り方も動画を作っておきました。
しならせて曲線を引く
木材に円形の曲線を引くときにもさしがねが活躍。さしがねは柔らかく均一な硬さなので、しならせると綺麗な円形を描きます。
円形を書くときはこんな風に3点を目印につけておくと書きやすくなります。
こんな風に切れ込みを入れた木材をクランプで挟むと、一人でもやりやすいので便利ですよ。
注:さしがねにはしなりにくい材質のものもあり、また無理にしならせて曲がってしまうこともあります。このテクニックを使うときは十分注意してください。
さしがねの目盛には裏と表がある
さしがねの目盛には表目と裏目があり、商品によって刻まれている目盛が違っています。
その種類は大きく以下の3つ。
・ほぞ穴測定目盛
・角目・丸目
・ミリ、センチ目盛
それぞれどんな目盛りなのかご説明します!
・ほぞ穴測定目盛
目盛の単位は表面と同じくセンチ、ミリ単位ですが、さしがねの端から目盛が付いているため、穴の深さを簡単に測ることができるものです。
・角目、丸目
表が両側共にセンチ・ミリ目盛。裏が外側がセンチ・ミリ目盛、内側の長手が角目(かくめ)妻手が丸目(まるめ)のもの。
1角目の使い方
角目では、丸太などの円状のものから、円の中にとれる正方形の一辺の長さが測れます。円の直径が角目目盛で10なら、その円からは1辺が10cmの正方形がとれることになります。
(画像の場合7cm)
2丸目の使い方
丸目は円状のものの円周が計算せずとも測れます。円の直径が丸目目盛で10なら、その円の円周は10cmだと分かることになります。
(画像の場合3.4cm)
・ミリ、センチ目盛
裏表どちらも同じミリ、センチ目盛が記されているさしがねもあります。