
2020年06月01日更新
DIYに欠かせない材料といえば「木材」ですよね。 棚やテーブルなど家具を作ったり、床や壁にも使ったり様々な場面で活躍してくれる素材です。 そんな加工性が良く、風合いも良い木材ですが、ホームセンターだけでも多くの種類があって悩んでしまいます。 今回はDIYでよく使われる木材を中心に、種類と特徴を紹介していきます。 自分のDIYに適した木材探しの参考にしてみてください。
監修者 : 芸術大学教員/DIYアドバイザー 野口 僚
徳島県の家具メーカーにて木製家具の製造に携わり、機械加工、仕上げ、組み立て、塗装など木工技術全般と家具製造ノウハウを培う。 その後、体験型DIYショップ「DIY FACTORY」 にて勤務。店頭ではお客様の相談に乗りつつ、一人一人に合ったDIY用品を提案しつつ、同時にDIYレッスンの企画と講師をおこない、日本のDIY文化発展のために尽力する。 現在は大学のデザイン学部の助手として大学内工房に在中し、 学生に対しデザインやモノづくりの手法などを主に教えている。 プライベートではとりあえず自分でなんでも作ってみる精神で、家具から生活雑貨まで幅広く制作をしています。
目次
無垢材とは丸太から必要なサイズに製材をおこない、
貼り合わせや接着剤などの加工がされていない材のことを指します。
・木材本来の温かみを感じ、経年変化も楽しむこができる。
・木目を活かすオイル塗装と相性がよく、美しい仕上がりになる。
・接着剤を使用していないため、安全性が高く、長年使っても痛みにくく強度を保ちやすい。
・サイズに限界があり、幅が広く分厚い材料は手に入りにくい。
・同じ材でも個体差が大きく、節や割れ、ヤニなど使いにくい部分が多い場合がある。
・温度湿度での変化が大きく、反りやねじれがおこりやすい。
このようにクセはあるものの、無垢材でしか表現できない風合いもあり、
家具のフレームとして使ったり、何枚も並べて板壁や床として使えば、
木材本来の風合いを楽しめる、使いこなせばとても価値のある木材です。
無垢材は圧倒的に種類が多い木材です。
(木の全てが言ってしまえば無垢材になりえるので…。)
家具屋でよく使われるような、「ウォルナット」「オーク」「サクラ」「メープル」などは、
とても風合いが良く耐久度が高いため好まれますが、
家庭で行うDIY用としては少し高価で、硬く加工も難しいため、手軽なDIYには不向きでしょう。
ここからは比較的安価で加工のしやすい無垢材を紹介します。
ホームセンターには必ずと言っていいほど置いている「1×4材」「2×4材」でも使われている木材です。
SPFとはスプルース ・パイン・ファーという数種類の木材の頭文字から呼ばれています。
成長が早く価格が安いため建材としても利用されます。
加工性が程よく、手鋸でもサクサク加工することができます。
そのぶん耐水性と耐久性はそこまで高くないですが、十分に活用シーンの多い木材です。
購入の際は、反りや捻れ、死に節、樹脂に注意しましょう。
SPF材に続きよく見かける木材といえば杉でしょう。
杉はSPFよりも比重が低く、さらに軽く柔らかい加工が容易な木材です。
荒材から仕上げ材まで様々なグレードが売られており、用途に合わせて選ぶことができます。
木肌は美しく、木の心材周辺は赤褐色で和風な雰囲気があります。
よく手入れされた高価な杉を除き、ヤスリをかけて仕上げても木肌が粗いまま仕上がることがあり、
摩耗に対する耐久性は低いので、使用場所には注意が必要です。
SPFと杉の中間ぐらいのほんのり淡黄褐色の木材です。
あまり硬い木ではなく、加工性が高いです。
虫や菌に対する耐性が高く、水湿にも強いため、昔から建材や風呂桶としても使われてきました。
カンナとの相性も良く、ヤスリでも磨き仕上げれば美しい光沢が出てきます。
独特な芳香があり、古くから日本で好まれる木材です。
価格は杉やSPFに比べると少し高価ですが、木肌の美しさは圧倒的です。
出典・GISELE(https://www.teakfurniture.jp/data/379/)
名前のとおり赤みの強い木材です。
反りやねじれが起こりにくく、特に水に対して強い耐久性があることから、
主にウッドデッキやフェンスなどの屋外で使われることが多いです。
一般的に広葉樹は「硬い」「強い」「重い」「色が様々」「木目が美しい」という特徴があります。
最初に記述したように、家具材に使われる
「ウォルナット」「オーク」「サクラ」「メープル」などとても美しく様々な種類があります。
高価で加工は困難ですが、こだわりたいDIYやワンポイントとして使うなど、
使い方を工夫してワンランク上のDIYにチャレンジする時に使ってみるのもいいでしょう。
集成材とは木材の角材を並べるように接着剤などで貼り合わせて固めた木材です。
無垢材では難しい広い面や反りにくいという特徴があり、棚や机などでも活躍するとても便利な木材です。
・幅の広い木材が確保できる。
・無垢材に比べ反りやねじれが少なく、品質が安定している。
・節などがほとんどない。
・広い面でも無垢材に比べ圧倒的に安価。
・無垢材の組み合わせなので、仕上がりが美しい。
・接着剤で固めているため、水や湿気に弱い。
・材料のジョイント部分が木目が途切れるため気になる。
・木材種があまり豊富ではない。
・廃材を薪ストーブとして利用はできない。
一般的にホームセンターで手に入る集成材はこの「ラジアタパイン集成材」が多いです。
集成材の中では最も安価でしょう。
加工性はSPF材と同等ぐらいで、柔らかく、加工性がいいです。
厚みは15mm〜が一般的です。
出典・マルトクショップ(https://shop.woodworks-marutoku.com/products/engineeredwood/item/s003.php)
ゴムの樹液を採取した後に捨てられる木を利用して作られた集成材です。
比較的安価で白い綺麗な木材です。
出典・株式会社テクノート(http://www.tcn.co.jp/bamboo/product.html)
細い竹を集成材として組み合わせた板で、分厚いものは3層以上になっています。
木材に比べ硬いため、板としての強度は高く、表面も硬いので傷は入りにくいというメリットがあります。
一方で非常に硬く、繊維方向に割れやすいため、手作業での加工は難しいでしょう。
出典・マルトクショップ(https://shop.woodworks-marutoku.com/products/engineeredwood/item/s003.php)
種類は多くないですが、広葉樹の集成材もあります。
表面をクリア塗装するだけでもとても美しい木目に仕上がるので、
こだわりのテーブルなどを作る時は思い切って活用してみてもいいかもしれませんね。
合板はミルフィーユのように薄い板を交互に積み重ねて人工的に作られた板です。
厚みは2mm〜30mm程度と幅広く用途に合わせて選ぶことができます。
板材としては他の木材に比べると安いモノが多く、
表面の板を変えることで様々な見た目の板が売られています。
板サイズはホームセンターでは一般的に(910mm×1820mm)が基準となっています。
・広い面積が確保できる
・反りやねじれが少なく品質が安定している。
・薄い板から厚い板まであり、用途によって最適な厚みを選べる。
・板が交互に重ねられているので割れにくく強い。
・板の重ね方や表面の種類によって、強度や美しさが違う。
・接着剤が使われているため、加工時の木屑には注意が必要
・水湿に弱く、そのままでは屋外の使用には不向き。
・板側面の木口方向には釘、ネジが効きづらく割れやすい。
・保管状態が悪いと極端に反ることがある。
・切断面は材木が積層されているので、あまり綺麗ではない。
・オイル塗装などの仕上げでは無垢材の方が木目が美しい。
表面にラワンという木材が貼られたベニヤ合板です。
淡い赤褐色の表面が一般的で、どのホームセンターでも売られています。
価格は安く、表面はほどほどに綺麗でDIYでは使いやすい合板です。
表面に針葉樹の板が貼られたベニヤ合板です。
表面の肌触りはザラザラしており、木のトゲもよく出ていることがあるので、
持つ時は注意が必要です。
木目がはっきりしており、節なども多くあるため、木材の風合いを活かしたい時には便利な板です。
価格はラワン合板より安いことが多いです。
表面にシナの木材が貼られたベニヤ合板です。
色が白くスベスベとしており、他のベニヤに比べても圧倒的に綺麗な面をしています。
触り心地がいいので、そのままテーブルや棚、壁、床と使えます。
水性顔料などで表面を平らな仕上げにしたい時にも、表面をほとんどサンディングしなくても大丈夫です。
しかし一般的な合板に比べると価格は1.5倍〜3倍ほどと高価なため、ここぞという時にオススメの板です。
強度は落ちますが、少し安価な「シナランバー」と呼ばれる中間材がブロックで構成されている板もあります。
出典・Makit(https://makit.jp/02022/)
板を積層して作られているというよりは、小さな木のチップをランダムに接着剤で固めた板です。
価格は安いですが強度が高く、住宅や家具、収納箱の構造板としても使われることがあります。
見た目がとても特徴てきなので使いこなせば個性的なDIYに活用できる板です。
表面に塩ビ樹脂や、木目がプリントされた合板などのことです。
表面が本物の木ではないので、汚れに強かったり、品質が一定という特徴があります。
表面はつるつるしているので服を置く所や本を置く所など色々な場面で活躍します。
種類は非常に多いので、気に入る化粧合板はじっくり選びましょう。
木材の繊維を接着剤と一緒に圧縮して作られた板です。
木材の板というよりは、紙でできた板にイメージに近くとても重たいです。
面が非常に均一なので、塗装や加工の治具として使うのにもおすすめです。
反り、ねじれなどの変形はあまりないですが、水にはとても弱く、カビも生えやすいです。
薄いMDFは強度があまり高くなく、簡単に割れてしまうので注意が必要です。
以上DIYで活躍する様々な木材を紹介しました。
木材は使えば使うほどだんだんと性質がわかっていき、上手に使いこなすことができる素材です。
毎回同じ木材を使うことなく、適材適所や見た目でDIYに最適な木材を選びましょう!
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