2019年11月29日更新
アロンアルフアには、さまざまな特徴やバリエーションがあることはご存知でしょうか。 「アロンアルフアの名前をきいたり、使ってみたりしたことはあるけど詳しくはない」という人は、ぜひ本記事を最後まで読んでみてください。 最後まで読めば、アロンアルフアの特性や多くのバリエーションがあることが分かりますよ。
監修者 : 芸術大学教員/DIYアドバイザー 野口 僚
徳島県の家具メーカーにて木製家具の製造に携わり、機械加工、仕上げ、組み立て、塗装など木工技術全般と家具製造ノウハウを培う。 その後、体験型DIYショップ「DIY FACTORY」 にて勤務。店頭ではお客様の相談に乗りつつ、一人一人に合ったDIY用品を提案しつつ、同時にDIYレッスンの企画と講師をおこない、日本のDIY文化発展のために尽力する。 現在は大学のデザイン学部の助手として大学内工房に在中し、 学生に対しデザインやモノづくりの手法などを主に教えている。 プライベートではとりあえず自分でなんでも作ってみる精神で、家具から生活雑貨まで幅広く制作をしています。
目次
まずは、アロンアルフアがどんなものなのかを紹介しましょう。
アロンアルフアは、1963年に誕生した瞬間接着剤です。製造と販売は、「東亞合成」という企業がしています。
アロンアルフアという製品の名前は多くの人々がきいたことがあるはずですが、50年以上もの歴史があることはそこまで知られていないのではないでしょうか。
また、市場にはアロンアルフアの類似品があります。名前の似た製品があることから、アロンアルフアの知名度の高さや質のよさがうかがえますね。
アロンアルフアときくと、「アルファなんだから最後の文字は小さいアなのだろう」と思っている人がいるかもしれませんが、実は小さいアではありません。
アロンアルフアの名称は、「アロンアルフア」なのです。
アロンアルフア公式サイトでも、『「アロンアルフア」の最後の「ア」は大きな文字が正解です!』
(引用元:http://www.aronalpha.com/about/)と言及されています。
これから紹介するアロンアルフアの使い方やバリエーションだけでなく、正式名称も覚えておいてくださいね。
アロンアルフアという接着剤には、5つの大きな長所があります。
ここではそんな長所を1つ1つ紹介していきますね。
アロンアルフアを使えば、瞬間的にさまざまな素材の物体同士をくっつけることが可能です。
ずっと長い間、くっつけたいもの同士をおさえたり、なにかで固定したりしなくて済むのは大変便利ですね。
すぐにくっつくだけでなく、非常に強く接着するという美点もあります。アロンアルフアがどのくらいの強さをもっているかは、CMを見るとよく分かりますね。
古くからあるCMでは、「バイクが前輪をもちあげて走行し、アロンアルフアが塗られた柱に前輪をくっつける。
なんと、運転者が降りた後もバイクはそのまま倒れずに立っている」なんてものがあります。
また、最近のCMには、「アロンアルフアでバーベルを天井に接着する」というものが存在しますね。
バーベルのCMはアロンアルフアの強さを知るためにもぜひ見てみてください。
バーベルのCMは以下の通りです。
アロンアルフアは、強い接着力が長い期間つづくのが嬉しいところです。
また、さまざまな薬品への耐性があるのも大きな強みですね。
接着剤というとグルーガンに使用する樹脂のような、温めないと使えないものもありますが、アロンアルフアは常温で使用可能です。
温める手間も時間もいらず、使いたいときにすぐ使えるというのは非常に便利ですね。
有機溶剤がアロンアルフアには含まれていないので、環境や人体に優しい接着剤となっています。
安全性が高いというのもユーザーとしては嬉しい限りです。
アロンアルフアの性能を最大限引きだすには、よりよい使い方や接着できない素材などについて知っておく必要があります。
そのため、ここではアロンアルフアを使ううえで、あらかじめ知っておいた方がよいことを紹介しますね。
アロンアルフアを塗る前にひと手間かけるだけで、もっとしっかりくっつくようになります。
まず、接着する物体の汚れやほこりをよく落としておきましょう。くっつけるものとものの間に邪魔なものがない方が、よりきちんと接着できるわけです。
また、くっつけるもの同士に凹凸があって、ぴったりくっつかないような場合は、やすりがけをして凹凸をなくしましょう。
やすりを用意するのは手間かもしれませんが、きっちり接着したいのであれば、このひと手間が重要なのです。
ポリエチレンやポリプロピレンといったプラスチックの接着は、高性能なアロンアルフアであってもうまくできません。
そのため、ペットボトル工作にアロンアルフアを使うのはあまりよくありません。プラスチックを接着したい場合は、プラスチック専用の接着剤を使いましょう。
また、プラスチックだけでなく、ガラスに対して使うのも不向きです。
ガラスを使った工作をしたり、家の窓ガラスに装飾をしたりする場合には、アロンアルフアは使わない方がよいでしょう。
「より強力に接着したいから、たくさん使おう」というのはよくありません。
アロンアルフアの性能をきちんと引きだすには、適量だけ出してやる必要があります。
アロンアルフアの適量は、「10円玉大の面積に1滴」です。1滴だけで、そこそこの面積をカバーできるので、あまり多く使う必要ありません。
アロンアルフアをつけすぎると、接着した部分の辺りが白くなってしまうことがあります。
アロンアルフアの性能を引きだせないだけでなく、見栄えが悪くなるという問題もあるので、つけすぎには注意をしてください。
アロンアルフアがどんなものなのかを説明したところで、次はどういった風な工作ができるのかを紹介しましょう。
釘打ちをする前にアロンアルフアを木材へ塗っておくと、板がずれることなく作業が可能です。
家のなかに置くような小物を木材でつくるときには、釘打ちをすることがあるでしょう。
大きな木材を使った工作とは違い、薄い材料を用いた小物づくりの場合には精密な釘打ちを要求されます。
なにも使わずに薄い木材へ細い釘を打ち込むのは難しいですが、アロンアルフアで板同士をあらかじめ接着しておけば、ぐっと難易度が下がるのです。
木材を使った小物をつくる際には、木工用のアロンアルフアを用意しておくことをおすすめします。
写真立てのような、小さな木のフレーム同士をくっつけるときにはアロンアルフアを使用するのがおすすめです。
あまりにも薄い木材同士をくっつける場合には、釘やねじを使うのは難しいですし、アロンアルフアの接着力なら、他になにか用意せずとも問題ないでしょう。
アロンアルフアを塗る際には、フレームを少しだけ湿らせておくのをおすすめします。なぜなら、接着する面が湿っていると、アロンアルフアがよりくっつくようになるからですね。
このような簡単な工作には、垂れてこないゼリータイプのアロンアルフアがおすすめです。
工作だけでなく、少しはがれてしまった壁紙や壊れた靴の補修にも使えるので、1つもっておくと便利でしょう。
アロンアルフアには、先ほど紹介した木工用やゼリータイプのもの以外にも、さまざまな種類があります。
以下のバリエーション紹介を参考にして、自分のやりたいことにマッチしたアロンアルフアを使ってみてください。
スタンダードなアロンアルフアです。プラモデルの制作やゴムや金属などの接着に使用ができます。
値段が他の種類に比べて少々安いのが特徴ですね。
プラスチックの接着が可能なアロンアルフアです。
「アロンアルフアはプラスチックをくっつけるのには向かない」と紹介しましたが、このプラスチック用であれば問題ありません。
プラスチックを用いた工作をしたり、プラ製のおもちゃを直したりする際にはこちらを使用してください。
なんとアロンアルフアには、「プロ用」という名前のものがあります。
どういった特性をもっているのかというと、「粘度が低い」という長所をもっています。
粘度が低いとなにが嬉しいのかというと、すき間へアロンアルフアを流しこむことが可能です。
小さなすき間へアロンアルフアを浸透させたいときは、こちらのプロ用No.1を使ってみてください。
アロンアルフアには、接着剤以外のバリエーションもあります。
先ほど紹介したさまざまなアロンアルフアと一緒に覚えておいてください。
瞬間接着剤をはがすための製品です。これがあれば、手についてしまった接着剤をはがしたり、はみ出してしまったアロンアルフアを溶かしたりすることができます。
アロンアルフアを使うとき、手についたり床へこぼしたりしないように注意していても、「うっかりやってしまった」ということはあるでしょう。
いざというときのために、このはがし隊を用意しておくことをおすすめします。
アロンアルフアのラインナップには、細かい作業に適したノズルまであります。
この極細ノズルをアロンアルフアにつければ、ピンポイントで塗りつけることが可能です。
「そのままのアロンアルフアでは口が太すぎる」という場合には、こちらの極細ノズルをつけてみてください。
最後に、本記事で紹介した事柄をまとめてみましょう。
アロンアルフアは、1963年に誕生した、歴史ある接着剤です。名前の最後の文字は小さいアではなく、大きいアなのがポイントですね。
アロンアルフアには、「一瞬でくっつく」、「くっつく力が強い」といったさまざまな長所があります。その反面、「プラスチックに不向き」という短所もあるのです。ただ、アロンアルフアには、プラスチック用のものがあるので、用途にあったバリエーションを選択すれば問題ありません。
なにかを組み立てるのに役立ったり、釘打ちをしやすくしたりとDIYをするうえで、アロンアルフアはきっとよいサポーターになってくれることでしょう。
よくDIYをする人はぜひアロンアルフアを手元に置いておいてください。
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