2020年06月30日更新
みなさんは棚や箱、椅子などの木工DIYをする時、木材同士をどんな方法で繋げていますか? ネジや釘を使っての固定がDIYではよく用いられますが、 昔から伝わる木工継ぎ手はネジ、釘を使うことなく美しく木材同士をつなぐことができます。 継ぎ手の種類は簡単なものから複雑なものまで、用途に合わせて数多くありますが、 今回はDIYでもできる便利な継ぎ手の方法をご紹介していきます。
継ぎ手は家具や建具などの木工品を作る際に、木と木を加工し、組み合わせるための技法として使われてきました。
ネジや釘を使わなくても木材を固定することができるため、ネジ釘が使いにくい小さなクラフト品にも活用することができます。
(補強としてネジ釘を使用する場合もあります)
金具などを使用しないため見た目が美しい。
木材同士の接地面が多いため、強度が高い。
経年劣化したネジ釘のサビが木に悪影響を与えない。
金具を使用できない小さなパーツでも強固に繋げられる。
組み方を工夫すれば、木の反りやねじれによる破損を防止できる。
使用工具は継ぎ手の種類により様々ですが、
基本的には下記のような工具があれば簡単な継ぎ手加工ができます。
継ぎ手の加工の際には必須となる手工具です。
横切り、縦斬り用と種類がありますが、
一本だけを買うなら横切り用の方が汎用性が高く使いやすいです。
ノコギリやドリルで切り込みを入れて余った部分を落とす時など、木材を削る際に使用します。
刃幅は9mm、15mm、24mmの3種類ほどあると使い分けが便利にできます。
ほぞなどの穴をあける際に使います。
長方形の穴をあけたい際は、連続した穴をあけ、残った部分をノミで削り落とします。
仕上げの微調整や、角、面の仕上げなどに使用します。
低い番数は粗くよく削れ、高い番数は細かいので磨きに適しています。
ほぞに木材を叩き込む際に必要な工具です。
後ほど紹介する「木殺し」にも使用します。
加工する部分をに墨付け(線を書く)際に使用します。
本体が薄く、直角がでているので、メジャーや定規より使いやすくおすすめです。
材料が動かないようにしっかりと固定することができるので、安定して作業をすることができます。
精密な作業と安全性を確保するために必要な工具です。
加工する部分の目印となる墨付け。
さしがねを使って墨付けをする場合には精確に墨付けをしましょう。
この墨付けが目印になるので、この最初の工程を丁寧にすることで、後々の成功につながります。
材料を切りすぎて小さくなってしまうと、接地面がガバガバになってしまったり、
隙間ができてしまうことがあります。
慎重に継ぎたい時は、ほんの少しきつめに加工をして、紙やすりやノミを使って少しづつ調節をしましょう。
継ぎ手部分をはめ込む際に、入り込む部分を玄能(ハンマー)を使って潰しておくと、
入りやすくなる上に、組み立て後に叩いた部分が元に戻ろうと膨らむため抜けにくくなります。
継ぎ手は使用シーンや木材の形状によって使い分ける必要があります。
自身のDIYに最適な継ぎ方を見つけてみてくださいね。
DIYではおなじみの「ダボ継ぎ」です。
ある程度の厚みがある木材同士だと簡単に作ることができ、
木材パーツのサイズ計算が簡単で、テクニックもあまり必要ないので活躍の場が広いです。
接着剤を合わせて使用することで強い力で接着することができます。
継ぎたい面の片方に墨付けをします。
角材なら基本的には2箇所程度が妥当です。
墨付けをした片面にドリルドライバーを使って垂直に穴をあけます。
ダボ穴系は6mm、8mm、10mmが一般的です。
穴深さは接着剤の逃げ場ができるように、ダボの長さ+2mmほど深くあけるといいです。
片面にダボピンを差し込み、平らなテーブルの上でくっつけて印しをつけます。
両面を測って墨付けしてしまうと、どうしても多少ズレてしまうので、
ダボピンを使っての現物合わせが確実です。
ダボピンで印をつけた場所にドリルドライバーを使って穴をあけます。
接着剤ダボ穴と接地面に塗ります
穴の中は竹串などを使って全体に伸ばしましょう。
隙間ができないようにクランプなどを使って圧着します。
入りにくかったら、当て木をしてハンマーで叩き込みます。
木材の重なる部分をお互い半分(50%)までカットし重ねて接着する方法です。
墨付け後はのこぎり作業とやすりで整えるだけで完成できます。
水平方向へのズレには強いですが、垂直方向の力には弱いため、
接着剤や釘で補強すると強固になります。
組む予定の木材の幅と厚み半分までの深さの墨付けを丁寧にします。
必要な深さまでノコギリで切り込みを入れます。
できる限り材料に対して水平なラインで切りましょう。
幅が広い場合は、何本か切り込みを入れると後のノミ作業が楽になります。
ノミを使って平らな面を作ります。
ノミの先に指を置かないように注意しましょう。
作業の際はクランプを使えば安全に作業することができます。
紙やすりを使って整えます。
はめ込む面が丸くならないように注意しましょう。
片方に角形のほぞを穴をあけて、それに合わせ反対側を凸型に削り、入れ込む方法です。
完成品は面をくっつけただけに見えますが、凸と凹の組み合わせで入り込んでいるため、
差し込んだ方向以外に対し、見た目以上の強度があります。
凸側と凹側両方に墨付けをします。
ほぞ穴をを少し深めに、または凸側を少し短めにすることで、組んだ後の隙間防止になります。
必要な深さまでノコギリで切り込みを入れます。
できる限り材料に対して水平なラインで切りましょう。
墨付け位置を目安にドリルで連続して穴をあけます。
この時浅すぎると、組み立て時に隙間が空いてしまうので、
ドリルにマスキングテープを貼るなどして深さに注意しましょう。
ノミを使ってドリルで余った部分を削ります。
組み合わせる部分がスムーズに入るように角をハンマーで叩いて木殺しします。
組み立て後、木が膨らむ力でさらにしっかりと固定することができます。
主に箱や額縁など、45度カットしたフレームなどで活躍します。
一度45度カットした面を接着剤で仮固定し、乾燥後に丸ノコやノコギリで切り込みを入れます。
切り込み部分に別の木材をはめ込む事で完成です。
手軽ですが、見た目が美しく、クラフト系や荷重がそこまでかからない場面にオススメです。
入れる木材の色をあえて変えてもワンポイントになって可愛いです。
接着したい部分を45度カットします。
フリーハンドが難しい場合は、ソーガイドを利用すると簡単に好きな角度でカットできます。
接着剤を使って45度部分を接着します。
額縁や箱のような四角を作る時は、ベルトクランプを使うと安定して仮組みができます。
この状態で一度接着剤を乾燥させます。
45度部分に切込み分の墨付けをします。
切込み深さは45度部分の3分の1~半分程度まで切り込みをし、
一つの面に2か所程度、補強材を差し込むとしっかりと止めることができます。
接着剤が乾燥したら、ノコギリを使って差し込む木材と同じ厚みの切り込みを入れます。
溝が広くなりすぎないように慎重にカットしましょう。
切り込みを入れた部分に接着剤を塗り、補強材を入れます。
接着剤の乾燥後飛び出た補強材を切り取ります。
アサリのないダボ切り用ノコギリを使えば、フレームにピタッと合わせてカットできます。
幅の広い板を直角T型に継ぐ際に適しています。
丸ノコがあれば差し込む板厚分の幅を切り込むことで、板を安定して継ぐことができます。
面方向への荷重に強くなるので、箱の底や棚板としても適しています。
途中で溝を止める肩付き追入れ継ぎの場合はノミが必要です。
差し込む板厚分の墨付けをします。
幅が狭い木材なら手ノコギリでラインをとり、ノミで落とします。
ルーターや丸ノコの機械があれば、溝深さを設定して切り込みを入れましょう。
溝に木材を差し込みます。
きつきつの場合は木殺しやヤスリで調整をしましょう。
難しいイメージをもたれやすい継ぎ手ですが、簡単なものから難しいものまで様々です。
マスターすることでDIYレベルがぐっと上がるノウハウです。
練習すればするほど美しく仕上げることができるので、ぜひ練習してみてくださいね!
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