2021年12月24日更新
魚を調理するのにピッタリな、プロの料理人も愛用する和包丁を紹介します! 見慣れない形で使いこなすのは難しそうに見えますが、コツを掴むと初心者でもお料理がとても楽しくなります。今回は一般的な「両刃包丁」との違いもお伝えします!
監修者 : 株式会社大都(DIY FACTORY) makit(メキット)編集部
makit(メキット)編集部はDIYを通して暮らしやインテリアに特化したコンテンツをお届けします。道具の使い方のコツや、素敵なDIYのレシピ、上手な塗装のテクニックなど自分好みの暮らしを愉しむためのノウハウをお届けします。あなただけの雰囲気のある、世界にたった一つの住まいを一緒に作り上げていきましょう。
目次
堺は日本における刃物の三大産地のひとつ。特に、職人が一本ずつ手作りで仕上げる「打刃物」で名高く、プロの料理人用包丁では国内シェアの多くを占めるほど。その極上の切れ味は、空前の和食ブームとも相まって、今世界の料理人たちからも熱い注目を浴びています。
他産地のような一貫生産制(1社もしくは1人の職人が全ての工程を行う)とは異なり、一つの道に秀でた鍛冶職人、研ぎ職人、柄付け職人が結集して生み出しています。
この分業制によって、本職の板前(料理人)が使うレベルの高い包丁を作ることができます。料理人の多くが堺刃物を支持しているのは、堺刃物に対する信頼の証しです。堺刃物は現在、経済産業大臣指定の「伝統的工芸品」に指定されています。
一部引用:(公社)堺観光コンベンション協会公式サイト
実は普段馴染みの深い料理包丁は「両刃包丁」、日本料理などで使われている料理包丁は「片刃包丁」です。
両刃包丁は、両面に刃がついていることで食材に対する力が均等に加わり、真っすぐに切ることができます。
片刃包丁は、片面にしか刃がついていないことにより、真っすぐ切るためには慣れが必要ですが、食材の断面が非常にきれいに仕上がります。他にも食材を極薄に切ったり、皮むきをするのも両刃に比べ圧倒的に得意です。
片刃包丁を使えば、食材の断面も美しくなめらかに仕上がります。刺身などのやわらかな食材でも繊維や細胞膜を壊すことなく切れるので、素材のうまみを中に閉じ込めることができ、食感を損なうこともありません。さらに、切った食材が刃から離れやすい点も機能的です。
日本は、肉よりも魚や野菜を中心とする食文化が発展した国です。新鮮な食材の風味をそのまま味わうため、こうした独自の形が発達したのだと言われています。
厚み、重みを利用して魚を卸す、鶏をさばくなどの処理に欠かせない包丁です。 強度を増すためマチ(刃元で一段細くなるところ)がありません。また一般的な両刃の包丁よりも重量があり、持つとずっしりとしているのですが、それにも理由があります。包丁は軽いほうが疲れにくいイメージですが、魚や骨つき肉を切るときに、重みが手元をサポートしてくれるのです。また、丈夫で壊れにくいことも、出刃包丁の特徴と言えます。
刺身を引く(引き切る)ための包丁です。 刺身を切る際に刃を往復すると素材の切断面が傷み、光沢がなくなることから、一方向にのみ引き切ることができるように刃渡りが長くなっています。切り口の繊維を傷付けない口当たりは、刺身包丁でしか出すことができません。
アジやカンパチを捌きながら、それぞれの包丁の使い方についてご紹介します!
・出刃包丁
・刺身包丁
・新聞紙(1~2枚程度、まな板が覆えるくらい)
・ブラシ(歯ブラシなどでもOK)
・骨抜き
・ボウル
出刃包丁を使って、腹の部分は力を入れすぎないように丁寧に、鱗が固い場合は包丁の柄に近い部分でしっかりと取ります。意外と鱗が飛び散るので、まな板の上に新聞紙を敷いておくと、後の掃除が簡単です。
頭の付け根から、胸ビレの付け根に沿って出刃包丁を入れます(両側)。背骨の付け根を切って頭を落とし、内臓を取ります。かなり固いのですが、包丁を斜めに入れて、ゆっくり動かすと、あまり力を入れずにすっと切れてくれます。
内臓を取ったら、魚を流水で洗いますが、その際小さなブラシがあると便利です。
刃の先端だけでなく、刃全体を使って斜めに滑らせるように出刃包丁を入れてきます。
3枚下ろしにしたら、腹の部分に付いている骨を削ぎ取ります。出刃の先端を骨の付け根部分に当てるようにすれば簡単です。
中心の小骨は骨抜きで取ると簡単です。(私は100円ショップで買いました) 小さなボールに水を貼っておくと便利です。骨を取ったあと、骨抜きを水につければ、都度自分の指で骨を取らなくていいので時短になります。
包丁の背の部分を使って抑えながら引っ張ります。出刃包丁は重量があるので、安定感があります。
包丁の刃元を刺身に当てて、手前にすーっと引きながら1回で切ります。 刺身はやわらかくて崩れやすいので、身に負担がかからないよう、あまり刃を動かさずに1回で切るのがポイントです。
弾力があって、何度も包丁を動かさないと切れないので、断面がボコボコになってしまいやすいです。
両刃でお刺身を切った後だと、いっそう軽い力で切れるような気がします。すーっと切れて気持ちがいいです。 断面もきれいで、食べた時の口当たりの違いがわかりました。
【サイズ】
・全長:約290mm
・刃渡り:約150mm
・刃幅:約48mm
・刃厚:約6.8mm(最も峰の厚い部分:マチ付近の幅です)
・質量:約213g
※職人が手作りで製造しているため、刃渡り・質量は若干異ります
【材料】
・鋼:安来白紙二号鋼(日立金属安来工場で作られたヤスキの白二)
・柄:朴八角(天然木のため写真と異なる場合があります。)
・口輪:水牛の角
※アゴ.ムネ磨き
鍛冶屋:田中義一(伝統工芸士)
刃付屋:野村祥太郎(伝統工芸士、瑞宝単光章叙勲)
【サイズ】
・刃渡り:約240mm
・刃幅:約31mm
・刃厚:約3.9mm(最も峰の厚い部分:マチ付近の幅です)
・質量:約151g
※職人が手作りで製造しているため、刃渡り・質量は若干異ります
【材料】
・柄:朴八角(天然木のため写真と異なる場合があります。)
・口輪:水牛の角
※アゴ.ムネ磨き
鍛冶屋:田中義一(伝統工芸士)
刃付屋:野村祥太郎(伝統工芸士、瑞宝単光章叙勲)
堺の鍛冶職人(伝統工芸士:田中義一)が鍛造・焼入れし、刃付け職人(伝統工芸士:野村祥太郎)が本霞研ぎをした、本職の料理人のために作られた逸品。鋼にはもっとも焼き入れの難しい安来白紙二号を使用し、刃付け職人がもっとも美しい形へと研ぎ上げ、一流の料理人が見れば惚れ惚れするような刃付けをしています。
※この記事は株式会社福井との共同PR企画です。
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