2017年10月20日更新
引き続きベルリンからDIYカフェレポートをお届けします。今回は男女問わず根強い人気のインダストリアルスタイルのDIYカフェを中心にご紹介します。そもそもヨーロッパから発信されたこちらのスタイル、本場ドイツでは材料が手に入りやすい環境も手伝ってDIYカフェにも多く採用されています!
目次
ハンガリー出身の美人姉妹が一から作り上げたDIYカフェ。お二人の国元ではどちらかと言うとクラシックなデザインのカフェが多い為、NYや東京など世界各国のマガジンのカフェ画像を参考に、目指すべきカフェのイメージを固めました。
ベルリンの壁が壊される前の時代は薬局として利用されていたこちらの物件。全体的に暗くて冷たいオフィスのような雰囲気でした。
壁の両サイドのレンガ部分は、以前簡易の壁で隠されていましたが、その既存部分を取り出し、敢えて手間は加えず少し磨いて残しました。フローリングは他のお店から譲り受けた廃材のチーク材を利用して全てをDIY。室内がグッと温かい印象になりました。
壁はコンクリート打ちっ放しに見えますが、実はグレーとホワイトのカラー塗料をミックスして、エイジング塗装でコンクリート風に仕上げました。 扉は塗るだけで黒板になるペンキを使用しDIYしています。
客席の椅子以外は全てDIYしたというDIY女子の徹底ぶり。淡いコンクリートエフェクトペイントで仕上げた木材天板にアイアンの脚をビスで固定したシンプルなテーブルもオリジナル。
天気の良い日は店先に置く予定のテーブルは脚が太くしっかりとしたタイプを、店内用には繊細なデザインのものとを分けてDIYされていました。
カフェのシンボル的存在のキッチンカウンターは、メルボーン市にあるカフェにインスパイアされDIYしました。インダストリアルデザインと相性の良いネオオレンジを挿し色として使っているそうです。照明やメニューボードなどの至る所にもちょこっと使いをして、おしゃれに効かせていました。
市販の収納棚や冷凍庫を希望の設置場所に配置します。そこを取り囲む形で基本の骨組みを作ります。2×4材などの木材を出来上がりサイズにカットをしてビスなどて固定をし組み立てます。
天板をコンクリートでDIYするには、まず好みのサイズと厚さに合わせ型枠を作ります。基礎をしっかり固定するために鉄筋も組み合わせておきましょう。そこにセメントを流し込み、ヘラなどで充分に馴らして平面に。程よく埋めたところで鉄筋を入れ、再度セメントを流し込み、綺麗にならします。水が引いたら薄いステンレス鏝で鏝跡を付けないように大きく円を書くように仕上げます。
ある程度固まったら、木材部分を丁寧に外します。
ヤスリをかけ滑らかにします。
水道管パイプをカウンターに合う長さにカットし、スプレー塗装します。ここではゴールドとお店のイメージカラーのネオオレンジなどをランダムに用意しました。
側面になる板に円形を下書きした用紙を当て墨付けしたらホールソーなどで穴を空けます。
側板をグレーで塗装し、パイプを差し込みます。
太さや長さを微妙に変えているところがおしゃれですよね♪
LOLA was here
Seelower Straße 8
10439 Berlin – Prenzlauer Berg
重厚でシャビーなバーカウンター、独学で内装の殆どをDIYで仕上げたという何とも居心地の良いこちらのDIYカフェは、美味しいお料理にも定評のある地元で人気のスポット。使用している材料は殆ど廃材を使用されています。
配管というマテリアルの魅力を最大限に引き出した絶妙なバランスのデコレーション。
シルクハットの頭上に穴を開けてソケット電球を通しただけの簡単ランプシェードDIY。
マニッシュでもありとても個性的。これは簡単に真似できそうですよね。
海岸に打ち上げらえた流木は乾燥に強く、耐久性が高いのでDIYの材料として最も適しているそうです。画像はもちろんオリジナル作品で、形の良い流木に電球サイズの穴をくり抜き、ハロゲン電球をはめ込みました。
錆加工したアイアン網を覆うように接着材にて取り付ければ、灯りの柔らかさを演出できます。
元々は倉庫であった物件を自らリノベーションしたので、半地下の入口にはお客様も迎え入るドアさえもない状態でした。廃墟となった大きな工業施設から3メートル以上にもなる窓を譲り受け、それをカットし木枠を取り付けて間仕切りとして設置をしました。
余ったパーツでお店の扉も合わせてDIY。何でもベルリンの壁崩壊直後(1989年以降)は、ビール1ダースと交換で本物の工場廃材が簡単に手に入る時代であったとの事。今となっては希少価値が出てしまい手に入れるのも一苦労するそうです。
インダストリアルなデザイン照明は、もちろんドイツでも大人気。特に年代物は驚く程高値が付いてしまっています。そこで知り合いの舞台照明を手掛けている友人の方に配線処理をお願いしコストを抑え、店内の間接照明は何と全てDIYなんです。
ワイン瓶のカットの仕方はいくつもあります。ボトルカッターを使用する方法もありますが、オーナーが実施されたのはこちらの方法です。
(1)空き瓶、爪ヤスリ、ジッポーオイル、糸(毛糸やタコ糸など)、氷水、ライター、洗面器を準備します。瓶に糸を巻き付け結びます。
(2)小さな容器にオイルを入れて、糸を浸します。その糸を瓶に巻き付けてから糸に火を付け、瓶をゆっくりと回します。火が消えかかったと同時に素早く氷水に浸せばビリビリっとガラスが割れるので、後はヤスリで切口を滑らかにします。最後に瓶の口を上にしてソケット電球を通せば完成です。
Varga-Hennecke
derberger Str. 14 | Prenzlauer Berg,
10435 Berlin, Deutschland
オーナーの出身地は日本とも親日家が多いと言われるポーランド。元はストックホルムでデザインの基礎を勉強し、ベルリンに戻ってからは店舗のリノベーションなどを主にご自分のリサイクル・プロダクトデザインの製作も同時進行されていました。その後カフェを経営する事になり、壁や間仕切りやキッチン全て、電化製品以外を自らDIYし仕上げたそうです。
こちらのカフェの地下1階は以前はタトゥーを入れるためのショップだったので全体的にダークな印象でした。元々からあったブラックタイルの壁はそのまま残し、厚手のべニア板でベンチテーブルをDIYし柔らかい雰囲気に。アイアン素材のBOX型シートは工場の廃材で恐らくコンクリートの型を取る為のケースではないかとの事。かなり丈夫な造りで重量もある為、安定感があり以外にも座り心地が良いのです。
漆喰壁のDIYは得意だと話すオーナー。ツルっとして無機質だった天井は壊して配線などを剥き出しにし、ホワイトのモルタル造形に改装した事によって、明るくオープンな一室に生まれ変わっています。
写真の左奥、植物の後ろにある四方を囲んだ四角い木材パネルは暖房設備の目隠し。夏は比較的過ごしやすく冬場は少し寒さが厳しいベルリンでは、温水ヒーターが必須アイテム。ただ外観を少し損なってしまうため、どこのカフェでも少し工夫が凝らされています。テーブル&チェアは新旧をミックスさせたリメイク家具です。
取り壊した学校の窓ガラスの廃材をメニューボード兼用の大容量の食器棚にDIYされていました。最初に壁一面にフローリング材を直接張り付け、その上に白のカラーペイントとドローイングを施します。
下段はグラスやカップを並べるのに丁度良い程度の奥行きの浅い棚板をそのまま壁に取り付けています。その上に直接窓枠パーツを貼り付け固定するイメージです。
経営不振で潰れてしまった鋳物工場から売りに出されていた正真正銘のインダストリアルプロダクト。1つ30ユーロ程度で購入したとのこと。これを土台にDIYしたコンクリート天板を合わせカフェテーブルとしていました。
一見すると無垢材板一枚をコンクリートでカバーリングしたように見える天板ですが、実際は木材は型取りとして使用しただけで、耐久性を考えコンクリートのみで仕上げられています。肉眼で見るときめ細かい木目がクッキリと美しく表れていますが、欠けている部分を見れば一目瞭然、コンクリのみで完成させた作品であると確認できます。
老舗メーカー〝ミラー〟のソーイングマシーンはもちろんアンティークです。古材のみが放つ存在感と経年変化がもたらす自然な錆び感がとっても魅力的。
板を一枚かまして、重力のあるコンクリート天板を支えています。
食事が出来上がると厨房からこちらの扉がオープンします。フレーム部分は床材と共に使用するモールディングのデコラティブな部分を45度にカットして貼り付けていました。ラスティックな壁はウォールペーパーでの再現、肉眼では分からないほどのクオリティーです。
OAK & ICE
Schönhauser Allee 52,
10437 Berlin, Deutschland
いかがでしたか?視線を外に向け空間に広がりを持たせたり、余白を増やすデコレーションを徹底してこそ、インダストリアルなデザインは引き立ってきます。あまり詰め込みすぎたり、又作り込んでしまうのもNGです。適度に抜け感のあるベルリーナのカフェDIYテクを是非参考にしてみて下さい。
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