木工作業に欠かせない道具のサンダー。ペーパーを付け替えれば金属の塗装剥がし、研磨にも・・・使いこなすと用途は多岐にわたる便利な道具でもあります。今回は、サンダーの各部位、基本的な操作方法をご紹介します。
監修者 : 株式会社大都(DIY FACTORY) 代表取締役 山田 岳人
DIY事業を運営する大都(DIY FACTORY)の代表取締役。1969年石川県生まれ。大学卒業後にリクルートに入社、6年間の人材採用の営業を経て大都に入社。2011年、代表取締役に就任。社団法人日本DIY協会が認定する「DIYアドバイザー」の資格を持つ。 メディア取材:読売新聞、TKCグループ、ログミーBiz、日本経営合理化協会、事業構想、INOUZTimes...他(順不同)
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サンダーはどんな電動工具なの?
サンダーはサンドペーパー(紙やすり)を底面に装着して、モーターの力で細かく振動させることで、木材や金属を効率よく研磨することができる電動工具です。DIYにおいて研磨は頻繁にある作業なので、これからDIYを始める方にも最初に揃えてほしいおすすめ工具です。
サンダーの特徴
サンダーには形状・性能に種類があり、またプロ用・DIY用にも分かれていて価格も様々です。置き型から小さなハンディタイプまで、サイズも色々あります。使用の際には研磨時の音や細かな木くずが出ますので、サンダーを使える環境も必須です。
サンダーの種類
オービタルサンダー
「オービタル」とは円状の軌道を意味する言葉で、ここではサンダーの細かな振動が楕円運動をすることからこのように呼ばれます。パッド面は四角く、クリップ部分で挟むようにサンドペーパーを取り付けるものもあります。市販のサンドペーパーを挟んで使うことができるのでコストを低く抑えることができます。本体自体も低価格なものが多く手軽に使いやすく、DIYにはおすすめです。
初心者向け オービタルサンダー
「マイシリーズ」は、入門機としてリョービ株式会社がラインナップしているシリーズです。初めて電動工具を買う!という初心者様におすすめのシリーズです。握りやすく操作性に優れたハンドル形状。別販売品の集じんノズル、集じんホースで集じん機に接続できます。
コーナーサンダー
コーナーサンダーはデルタサンダーなどとも呼ばれ、パッドが三角形のアイロンのような形のサンダーです。ボディが小さく軽量で、角や奥まったところにも使うことが出来ます。組み立ててあるものや狭い場所にも使えるのでとても使用の幅が広く、また音も小さめです。パッドが全面マジックテープになっており、同メーカーの専用のサンドペーパーを取り付けて使用します。
コーナーサンダー
アイロンのような形状のサンディングプレートの採用により、隅々までしっかりと研磨できます。
さらに先端の三角部が取り外せて、三方向に回転させて取付けられるので、ペーパーを無駄なく使用できます。
ランダムサンダー
丸い形状で回転しながら研磨するサンダーです。パッドが丸いので隅を研磨することはできませんが平面だけでなく曲面にも使用できます。サンドペーパーはサイズの合う専用のものを使うため少しコストはかかりますが、バフやスポンジも販売されており車のワックスがけなどにも使用できます。
充電式ランダムサンダー
木材・金属のサンディング・塗装はがし・サビ落としに
共有バッテリーで、多くの品種に対応できる便利なe-cycleシリーズ
ベルトサンダー
ベルトサンダーとはベルト状のサンドペーパーを装着するサンダーで、卓上タイプと、ハンディタイプがあります。研磨力がとても高く、材料の荒加工や塗装剥がしに向いています。卓上タイプは小物を削って形を整えるのに適していて、材料の方を動かして削ります。大きく重く、高価格なので小物作りを仕事や趣味としている人向けです。
卓上ベルトサンダー
・ 木材、非鉄金属の粗削り・ 仕上げに
・ 広い面や側面の研削に便利な水平、垂直に可動するサンディングアーム
・ 曲面や傾斜面などの研磨に便利なワークテーブル・ マイターゲージ
・ 別販売品の集じんホースと集じん機を接続してクリーンな作業ができる「ダストノズル」
・ ディスクペーパーの交換が簡単にできるマジック式
サンドペーパーの種類
サンダーに装着するサンドペーパーは、使うサンダーや作業内容によって使い分けします。それではその種類を見ていきましょう。
番手について
サンドペーパーは研磨するために表面がザラザラしており、その目の粗さを「番手」という数字で表します。
#40~#100 荒目(あらめ)
荒材の加工や塗装剥がしに使用します。あえて材料の表面を粗くしたい場合にも使えます。目がかなり粗いので材料の表面を綺麗に整えることはできません。
#120番~#240 中目(ちゅうめ)
木材には一番よく使われる番手。表面を整えたりバリ取りなどに使用します。
#280~#400 細目(さいめ)
塗装前の下地処理や、表面を滑らかに仕上げたいときに使用します。
#400~#800 極細目(ごくさいめ)
塗装面を整えるのに使用します。目が細かいので木の表面に使用してもあまり効果は得られません。塗装後の刷毛跡を削ったり、ウェット研磨にも使われます。
#1000~#2000 超極細目(ちょうごくさいめ)
木工ではあまり使用する機会はないのですが、金属の汚れやサビ落としなどに使用します。金属をピカピカに仕上げる鏡仕上げに用いられる番手です。
マジックテープ式
サンダー本体の機種の専用ペーパーを使います。マジックテープで貼り付けるので、密着性が高く振動がしっかりと伝わる為、研磨力は高いです。一般のサンドペーパーに比べると少し高価です。
デルタサンダーのサンドペーパーは、消耗の多い三角形の先端部分を交代して貼ることができる設計になっています。消耗してきたら三角の別の角を先端に持ってくるようくるりと回して貼れば無駄なく使うことができます。使う部分に合わせて無駄が無いように取り付け部分が分割されているものもあります。
市販のサンドペーパー
こういった市販のサンドペーパーはクランプ式のサンダーに取り付けて使うことができます。パッドのサイズに合わせて切って、クリップで挟み込むだけで使えます。種類が豊富で安価なのでお好きな番手で研磨できます。取り付けの際、オプションパーツの穴あけパンチ等で集塵用の穴を開ける必要があります。
サンダーの使い方
集塵対策をする
サンダーは作業中多量の木の粉が舞い上がるので、必ず集塵を行ってください。 木の粉を吸いすぎると、身体に悪影響を及ぼす可能性があります。あまりお勧めしませんが、部屋の中で作業をする場合は家具家電を養生しておくなど、木くずの対策をしてください。あとはマスクやゴーグルの着用をお勧めします。
サンダーには集塵機接続部分があるので、集塵機があればつなげてください。ダストバッグやフィルターを装着できるものもあります。これはモーターの力を利用して、集塵機不要で木の粉を集めてくれる便利な機能です。 集まった木の粉はそのままゴミ箱へ捨てられます。 (右)排出される空気がきれいなフィルター付きもあります。
サンドペーパーを取り付ける
使用したい番手のサンドペーパーを取り付けます。クランプ式の場合は隙間ができないようになるべくピンと張った状態で挟みましょう。
サンドペーパーをクリップで挟み、集塵できるように吸い込み口の穴を開けます。専用の穴あけパンチを使用し、パッドを押し付けるようにしてサンドペーパーに穴を開けます。
研磨する
コンセントを入れてスイッチオンします。少し材料に押し付けながら、粗く削る場合は木目に逆らって、滑らかに仕上げたい場合は木目に沿って研磨します。平面を研磨する場合は本体を傾けたりせずに、パッド全体が材料に付いた状態で前後に動かします。
メンテナンスと使用上の注意点
パッドの交換
サンダーのパッドは消耗品です。薄くなったり凹んだりすると止め金具がむき出しになり材料を傷つけてしまうので、時々チェック・交換しましょう。パッドはメーカーから販売されています。材料の角を丸くしようと、角に押し付けながら研磨するとパッドが部分的にえぐれてしまうので、強く押さないようにしましょう。
作業場所に注意
サンダーを長時間使い続けるとかなりの木の粉が出ます。集塵対策は必須ですがそれでも完璧ではありません。外でサンダーを使う場合は洗濯物や車や窓にに木の粉が飛ばないように気を付けましょう。ホームセンターなどの工作室を借りて作業するのもいいですね。
まとめ
サンダーは電動ドライバー等と同じぐらい、DIYを始めるにあたって最初に揃えておきたい道具のひとつです。サンダーを使う場面は木材の表面を綺麗に整えるだけでなく、家具リメイク時の塗装剥がしやエイジング加工にもかかせません。作業時間を大幅に短縮できる便利な道具ですが、木の粉や音は出てしまいますので、対策をしてから作業するようにしてくださいね。
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