木工用ボンドは身近な接着材ですが、正しいつけ方をするだけで強度が格段に上がるんです。今回は意外と知らない人が多いボンドの接着方法、さらに応用編もご紹介しましょう。
監修者 : 芸術大学教員/DIYアドバイザー 野口 僚
徳島県の家具メーカーにて木製家具の製造に携わり、機械加工、仕上げ、組み立て、塗装など木工技術全般と家具製造ノウハウを培う。 その後、体験型DIYショップ「DIY FACTORY」 にて勤務。店頭ではお客様の相談に乗りつつ、一人一人に合ったDIY用品を提案しつつ、同時にDIYレッスンの企画と講師をおこない、日本のDIY文化発展のために尽力する。 現在は大学のデザイン学部の助手として大学内工房に在中し、 学生に対しデザインやモノづくりの手法などを主に教えている。 プライベートではとりあえず自分でなんでも作ってみる精神で、家具から生活雑貨まで幅広く制作をしています。
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ボンドの基本的なつけ方
それでは最も基本的なボンドのつけ方を解説していきます。
1濡れ布巾などで木材の汚れを落とす
ゴミや汚れが付いていると接着力が弱まります。濡れ布巾などで接着する面を拭いておきましょう。
2接着する片面にボンドをつける
接着する部分にボンドを出しましょう。この段階ではきっちり塗らなくてもOKです。
3ピタッとしてグッとしてニュルッとしたのをシュッとする
接着面に木材をピタッと押し当て、ググッと力を加えてボンドをニュルッと押し出します。あふれたボンドは布やティッシュでシュッと拭きとりましょう。
4クランプで圧力をかけつつ固定する。
クランプを使ってある程度の圧力をかけた状態で固定し、乾燥させます。完全に乾燥したら終了です。
接着方法の応用編
ここからはちょっと工夫をした応用編の接着方法をご紹介します。
1相欠きっぽい加工をする。
基本的にボンドは接着面が増えるほど強力な接着力を発揮します。なのでまず写真のように板材を加工しましょう。
そしてこんな風にして
こんな感じで圧着します。普通にやるよりかなり強く接着できるはずです。
2ダボを使う
2つ目はダボ材を使って接着する方法です。
まずくっつける面にこのような穴を開けます
穴はダボ材がちょうど入る大きさにしてください。穴にボンドを入れてダボを差し込みます。
板の方にも、同じ大きさの穴を同じ場所にあけます。
あとは板材の穴と接着面にボンドをつけて
グッとしてニュルッとしたのをシュッとして、クランプで圧着して終わりです。ダボ材の補強も加わり、とても強力に接着できます。
正しいつけ方と間違ったつけ方の強度対決
ここでひとつ、ボンドの正しいつけ方でどれだけ強度が変わるのか比べてみましょう。左がボンドをつけて軽く押してほっといた木材、右が先ほど紹介した方法で接着した木材です。接着してから2時間程度なので完全乾燥ではないですが、はたして?
まず左からペンチで力を加えると
なんと!あっけなく接着部分が折れてしまいました。僕の体感ではポッキー12本分を折る時くらいの力しか加えていません。
では次に右に行きましょう。正しい接着は意味があるのか?
はあ!と力を加えるとどうにか折れました。折れた瞬間の衝撃も大きかったです。体感としてはトッポ40本を一気に折ったくらい。
接着面を見ると違いがわかります。左は渇いたボンドしか付いていないのに比べ、右はくっついていた木材を引き剥がしています。2時間でこれなら完全乾燥すれば接着力の差はもっと大きなものになるでしょう。
木工用ボンドは木工の味方!
木工用ボンドは正しく使えば強力な接着力を発揮する便利な接着材です。しっかり使って本来の力を引き出しましょう。