家に置いていた接着剤でくっつけたけど、なかなか上手につかなかったり、
すぐに取れてしまってイライラしてしまったことはありませんか?
接着剤は素材と使うシーンに適した商品を選ぶのがとても重要です!
今回はそんな接着剤を使用シーン別に紹介していきますので参考にしてみてください。
監修者 : 芸術大学教員/DIYアドバイザー 野口 僚
徳島県の家具メーカーにて木製家具の製造に携わり、機械加工、仕上げ、組み立て、塗装など木工技術全般と家具製造ノウハウを培う。 その後、体験型DIYショップ「DIY FACTORY」 にて勤務。店頭ではお客様の相談に乗りつつ、一人一人に合ったDIY用品を提案しつつ、同時にDIYレッスンの企画と講師をおこない、日本のDIY文化発展のために尽力する。 現在は大学のデザイン学部の助手として大学内工房に在中し、 学生に対しデザインやモノづくりの手法などを主に教えている。 プライベートではとりあえず自分でなんでも作ってみる精神で、家具から生活雑貨まで幅広く制作をしています。
監修記事一覧へ
接着剤を選ぶ時に大切なことは?
接着剤を上手に選ぶ上で注意する点を4つまとめてみました。
接着剤を買う前にこの確認をしておけば失敗が少なくなるので要チェックです
1、接着する素材はなにか?
接着剤は成分によって、得意な素材と不得意な素材が違います。
接着剤を選ぶ際はまず、どんな素材のものをつけるのかをしっかりと確認しましょう。
木、革、金属、プラスチック、陶器などなど色々な素材に適した接着剤があります。
パッケージに表記されていない素材はつかない。と思った方がいいでしょう。
2、接着後の使うシーンを想像する
一旦つけることができた!と思っても数日後にポロっと取れてしまうことはありませんか?
接着剤はくっついた後、どんな環境で使われるか。ということも大切です。
「室内なのか屋外なのか」「水がかかる」「熱くなる」「衝撃が加わる」などなど、
接着後どういう環境で使われるのかを想像して、つけたのに取れちゃった…ということがないように、
シーンにあった接着剤を選ぶようにしましょう。
3、色に注意する
接着剤には透明なものや、色がついているものもあります。
透明度が高い接着剤は少しはみ出ても目立ちにくいので、色々な場所に使いやすいですが、
色がついていることで塗った面に馴染んでくれることもあります。
思い通りの仕上がりになるように、接着剤が乾いた後、透明になるのか色が付いているのかは確認しましょう。
4、接着剤の粘度と使いやすさ
上の3つのポイントに比べると少し上級編にはなりますが、接着剤はそれぞれ粘度が違います。
低粘度のサラサラの接着剤は、小さい穴や狭いところにも流れていき接着することができます。
一方で高粘度のトロッとした接着剤はタレにくく、作業性が良く、凸凹面でも接着がしやすいというメリットがあります。
接着する箇所や、作業方法によって選びましょう。
素材別接着剤の紹介
ここからは実際に素材に適した接着剤の紹介をしていきます。
木材
DIYで一番よく使われる素材かもしれませんね。
木材は多孔質な素材で色々な接着剤で接着をすることができます。
特に水性の木工用接着剤は、安価で使いやすく強力に接着することができます。
コニシ/ボンド・木工用
セメダイン/木工用接着剤
接着剤メーカー2強の「コニシ」と「セメダイン」の木工用接着剤です。
とても安価でどこのホームセンターでも手に入りやすく、小学校の工作でも使われたりしています。
しかし安いから性能が低いというわけではなく、高級家具の木材部分にも使われたりと品質は抜群です。
硬化後は透明になり、少し弾力性が残るため衝撃にも強いです。
白色に比べて黄色いパッケージの方が速乾性があり作業性がいいです。
広い面など乾くのが早くて困る時は、白色パッケージの方を使いましょう。
フランクリン/タイトボンド
アメリカのメーカー、フランクリン社のタイトボンドは乾燥後カチカチに硬化するため、
接着後にヤスリ作業をすることができます。木工では接着した後にヤスリがけをすることが多いので、
プロの現場でのよく使われています。
特におすすめなのが、緑色のパッケージの「タイトボンドⅢ」は耐水性、耐候性が高いため、屋外でも使用が可能です。
食品衛生法の規格基準も通っているので、木製食器類などにも使用することができます。
アルテコ/瞬間接着剤712木工用
木工に適した瞬間接着剤です。
小さな木工細工品を組み立てる時などに活躍してくれます。
瞬間接着剤なので、素早い作業が可能なので仮組み用としても最適です。
粘度が高いためタレにくく、落ち着いて作業ができるのも嬉しい点です。
コニシ/アロンアルファ プロ用No.3
瞬間接着剤で有名なアロンファの木工用タイプです。
中粘度で通常の接着はもちろん、穴埋め補修なども可能で様々なシーンで活躍してくれます。
ちょっとした木製品の補修や組み立ての際に使いましょう。
紙や段ボール類
紙や段ボールは接着剤が浸透しやすく、ほとんどの接着剤でつけることが可能です。
しかし紙類は専用の接着剤でないとふやけやすく、素材が柔らかい特性があるので、
カチカチに固まってしまう接着剤は不向きです。
そんな紙工作に最適な接着剤を紹介します。
3Mスコッチ/液体のり 速く接着する工作のり
紙類の工作に適した接着剤です。
乾燥が非常に早く「10秒」程度で接着ができるので、小さなお子様のDIYにも使いやすいですね。
工作のりなのに接着力が非常に強いという、意外な驚きも体感できます。
コニシ/ペーパーキレイ
細かな作業のペーパークラフトなどに便利な液状の接着剤です。
本体ノズルが細く液量の微調整がしやすく、乾くと透明になります。
液状なので細かい部分は爪楊枝などで薄くのばすと、
汚れず丁寧な作業ができ、仕上がりの綺麗さも抜群の接着剤です。
3M/スプレーのり
スプレータイプの接着剤は、広い面に均一に接着力をつけることができるので、
小さなサイズからA3サイズなどの大きい紙を貼りたい時にとても便利です。
スティックのりでは難しかった中心や紙の端っこまで薄く塗布できるため、
紙にシワもできにくく、仕上がりが非常に綺麗です。
3Mのスプレーのりは「55」[77]「88」「99」「111」と5種類あり、
貼ってはがせるタイプから強力に硬い素材も接着できるタイプまであります。
紙などの場合は「77」がおすすめです。
布(手芸)など
ミシンが苦手だけど布を止めたい。という方には布用接着剤がおすすめです。
洗濯しても取れないように作られており、布に対しての接着力はとても強く、裾上げなどをしたい際にも活躍します。
セメダイン/nu〜no!(ぬ〜の)
セメダインのnu〜no!は液状で、塗布後アイロンで熱しながら圧着することで、素早く強力に接着することができます。
付属のヘラがとても使い心地がよくおすすめです。
コニシ/裁ほう上手 スティック
布用接着剤のスティックタイプです。スティックのりと同じように使うことができるため、
液状は使いにくいと思われる方におすすめです。
しっかりと接着する面を決めやすく、失敗がしにくい商品です。
乾燥後はドライクリーニングでも大丈夫なしっかりと接着できます。
サクラクレパス/クラフト小町
可愛いパッケージの手芸向け接着剤です。
ちょっとした服などの布物の補修に使え、木やガラスなども接着可能な用途の広い接着剤です。
小さなクラフト作業をする時は一本あると便利な接着剤です。
ゴムや革
ゴムや革など柔らかく柔軟性のある素材は、接着剤も乾いた後、柔軟性の残る接着剤がベストです。
衝撃に強く、多用途に使えることが多い便利な接着剤が多いので参考にしてください。
コニシ/ボンドG17
ゴム系接着剤で、ゴムや革、金属などの接着が可能です。
貼り合わせた瞬間に動かなくなるほどの速乾性があり、とても強力な接着力です。
大容量でもお手軽な価格で、たっぷり使っても経済的な商品です。
コニシ/ボンドGクリヤー
透明なので接着後も目立ちにくく、色々な場面で使いやすい弾性接着剤です。
柔らかい素材などが得意で、革やゴム類の接着に適しています。
セメダイン/スーパーXG
接着後はなんと屋外でも使用可能な接着剤です。
衝撃や熱、水に強く様々な環境でも接着力を発揮してくれるタフな商品です。
別の素材同士の接着もできるため使用用途が広く、速乾性もあるのでとても使いやすい接着剤です。
金属の接着
金属をくっつけると言えば溶接が思い浮かぶ人も多いかと思いますが、
金属に適した接着剤を使えばしっかりと強度のある接着をすることができます。
2液を混ぜるエポキシタイプや瞬間接着剤など、硬化後に硬くなる接着剤が相性がいいです。
コニシ/クイック30
A材とB材を混ぜることで約30分程度で硬化が始まるエポキシ接着剤です。
硬化時間が早すぎないので、混ぜてから余裕を持って作業をすることができます。
他にも5分タイプ、90分などもあるので、作業スピードに合わせて選んで使いましょう。
金属と別の素材を接着するのにも適しています。
セメダイン/メタルロック
金属専用の高強度接着剤です。
1時間程度で実用強度に達し、非常に強い接着力が自慢の商品です。
鉄だけでなく、チタン、ステンレス、アルミ、真鍮など様々な種類の金属の接着が可能です。
ロックタイト/クイックミックス
主剤と硬化剤を押し出す際に、同じ分量を自動で混ぜてくれる商品です。
耐水、耐熱性が高く屋外での使用もできます。
硬化後の収縮が少ないので、充てんしながらの接着ができるので接着面が安定します。
一般的に瞬間接着剤は衝撃に弱いという特徴がありますが、
この瞬間接着剤は耐衝撃を高めており、耐久性の高い瞬間接着剤です。
そのため、衝撃が直に伝わりやすい金属にはこのアロンアルファEXTRAは金属の接着に最適でおすすめです。
プラスチックの接着
プラスチックと一言で言っても非常に種類が多く、プラスチックの接着ができる!と書いていても、
種類によっては接着が困難なことがあります。
一般的に身の回りによくある、PP(ポリプロピレン)PE(ポリエチレン)は
特に接着が難しいため、商品を選ぶ際に注意が必要です。
可能であれば、接着したいものが、プラスチックの中でなんという名前の樹脂なのか
を確認してから商品を選ぶと失敗が少なくなります。
今回は特に多種類のプラスチックに使える接着剤をご紹介します。
コニシ/ウルトラ多用途SUソフト
硬化後も弾力性が残っている状態で接着ができるので、柔らかい素材の接着が得意です。
ほとんどの素材を接着できるため、とても重宝します。
多用途系では珍しい。片面塗布ですぐに接着をして固定するタイプです。
セメダイン/スーパーXハイパーワイド
セメダインから発売されている多用途接着剤です。
屋外での使用も可能で接着後の環境を選ばず、色々なシーンで活躍します。
効果スピードはゆっくりで落ち着いて作業ができ、24時間で硬化します。
コニシ/GPクリヤー
PP・PEにも接着が可能なプラスチック用ゴム系接着剤です。
プラスチックの接着が可能な商品の中では安価で手軽に購入しやすい商品です。
速乾性があるので、効率的な作業を求める方におすすめです。
コニシ/ビニル用接着剤
軟質塩化ビニル用の接着剤です。
塩ビシートや塩ビレザー同士の接着に最適で、薄く柔らかい素材に使えます。
ビニール物の修理などにおすすめの接着剤です。
ロックタイト/強力瞬間接着剤ブラシ付き
硬化プラスチックに使える瞬間接着剤です。最大の特徴はブラシで塗ることができるので、
細かい箇所や少量塗布をしたい場面で活躍してくれます。
おもちゃやプラモデルの接着に使いやすい瞬間接着剤です。
PP・PEの接着はできないので、接着素材は注意して確認しましょう。
コニシ/アロンアルファ プラスチック用
難接着プラスチックにも使えるように、下塗り材のプライマーとセットになった瞬間接着剤です。
特にPP・PE・ポリウレタンの接着に特化しています。
プライマーを正しく使うことで安心して接着することができます。
セメダイン/PPX
ペンタイプのプライマーが付属でついているプラスチック専用の瞬間接着剤です。
PP・PEはもちろんシリコーンゴムやフッ素樹脂まで、
従来では接着が難しかった素材の接着が可能になった驚きの接着剤です。
コンクリート、タイル
コンクリートやタイルなどの接着剤は塗り方に特徴があり、均一に塗るのではなく、波模様のように塗ります。
ネバっと重たい接着剤が多く、凸凹面に対応できる専用接着剤を選びましょう。
コニシ/ボンド 高性能コンクリート用
コンクリートやタイルに最適な接着剤です。
1液性で非常に使いやすく、水、熱、にも強いので屋外はもちろん。硬化後も弾力性があり、衝撃にも強いです。
手軽にコンクリートやタイルを取り付けたい時に特におすすめの商品です。
セメダイン/ピタブロック
車止めのブロックやレンガを積むような作業の際に最適な接着剤です。
硬化後はガチッと硬まり、強固な接着部分になります。
レンガを使ったガーデニングDIYでも活躍できる接着剤です。
コニシ/クイックメンダー
セメダイン/ハイクイック
2液を混ぜることで硬化するエポキシタイプの接着剤です。
5分で硬化が始まるため手早く作業ができ、30分から1時間程度で実用強度に達します。
小さなカケの補修や、穴埋め補修などに使いやすい接着剤です。
ロックタイト/タイル用接着材
浴室やガーデニングのシーンでタイルを貼りたい時に使える接着剤です。
壁面への接着も可能で、内装の装飾から小物のDIYまでタイルを使ってDIYする際の必需品です。
壁紙補修用
出展/https://makit.jp/03231
今回は家のドラブルで多い、壁紙が少し剥がれてきてしまった…。
という時に使える、補修用の接着剤を紹介します。
コニシ/ボンド壁クロス用
セメダイン/壁紙補修用接着剤かべっ子
乾きが早いので作業性が良く、まさに壁紙補修に最適な接着剤です。
お手軽に買える金額なので、小さなお子様やペットがいるご家庭には1本あってもいいかもしれませんね。
ハウスボックス/クロス職人 はがれ補修キット
接着剤と壁紙補修用のローラーや調整用のヘラが入っているお得なキット商品です。
この商品一つで道具を使って綺麗に壁紙を補修できるのでオススメです。
その他の接着剤
ここからは紹介しきれなかった少し変わった接着剤や、専門的な用途として使える接着剤を紹介していきます。
ピンポイントで使える商品が多いので、ここだ!と思う時にぜひ使ってみてください。
アクリサンデー/アクリル樹脂用接着剤
アクリル同士を接着する際に最適な接着剤です。
接着面の透明度が非常に高く、クリアケースなどを自作したい時にとても便利で、
接着後アクリル同士が一体化するので強度も高いです。
セメダイン/ペグα(アルファ)
衝撃や水に強いとされる弾性系の接着剤は、硬化時間が長いものが多いですが、
この「ペグα」は2種類の接着剤を同時に使うことにより、弾性を残した瞬間接着を可能にしました。
お風呂場やキッチン周りで活躍しそうな接着剤です。
セメダイン/BBX
接着剤は一度つけたら、接着剤と素材部分はもう取れなくなってしまうものが一般的でしたが、
この接着剤は、素材を傷つけることなく、何度でもつけて剥がすことができる驚きの接着剤です。
アロンアルファ/はがし隊
アロンアルファが指についてしまってとれなくなってしまったことや、
間違えて垂れてしまったところがカチカチになったり。という経験はありませんか?
そんなトラブルには瞬間接着剤専用リムーバーの「はがし隊」を使えば剥がれやすくなるおすすめ商品です。
BONDIC/EVO 液体プラスチック接着剤
紫外線ライトを当てることで効果が始まる特殊な接着剤です。
接着剤の主成分はプラスチックなので、硬化後はカチカチになり色々な素材にも接着が可能です。
硬化時間は4秒程度で硬化するとても便利な接着剤です。
以上今回は様々な素材やシーンにあわせた接着剤をご紹介しました。
他にも色々な接着剤が各メーカーから販売されているので、
自分の使いやすいお気に入りの接着剤を見つけてみてくださいね。
関連:正しい接着剤の使い方はコチラ ・ もう失敗したくない!意外と知らない接着剤の使い方