2020年04月30日更新
部屋のフローリング張りって自分でもDIYできるの? 今回は畳が古くなってしまった部屋を一室まるごとフローリングに張り替えました! 張る前の準備や、下地の作り方、フローリングの張り方まで一通りご紹介します。
監修者 : 芸術大学教員/DIYアドバイザー 野口 僚
徳島県の家具メーカーにて木製家具の製造に携わり、機械加工、仕上げ、組み立て、塗装など木工技術全般と家具製造ノウハウを培う。 その後、体験型DIYショップ「DIY FACTORY」 にて勤務。店頭ではお客様の相談に乗りつつ、一人一人に合ったDIY用品を提案しつつ、同時にDIYレッスンの企画と講師をおこない、日本のDIY文化発展のために尽力する。 現在は大学のデザイン学部の助手として大学内工房に在中し、 学生に対しデザインやモノづくりの手法などを主に教えている。 プライベートではとりあえず自分でなんでも作ってみる精神で、家具から生活雑貨まで幅広く制作をしています。
目次
今回は筆者宅の一室にある7畳の和室床をフローリングにリノベーションしていきながら、
フローリング化DIYの方法をご紹介していきます。
こちらがDIY前の畳の部屋です。
モノを置いていた所とそうでない所が日焼けによって色が変わってしまってます。
ところどころ畳が傷んでしまっているところもありました。
まずは必要な材料の買い出しのために部屋の寸法を測ります。
このような部屋の出角なども後々影響してくるので、ミリ単位で測っておくと後の失敗を防げます。
今回のDIYする部屋サイズは「4455mm × 2590mm」でした。
マンションの一室なので、そこまで大きい歪みはなかったですが、
端と端では3mmぐらいの誤差はありました。
そして測ったサイズを元に簡単な平面図面を書いてみます。
(この歪みは実際に施工しながら調整するのでこの図面には反映させません。)
次にこの図面にフローリングの下地となる「根太」をどのように置くか考えます。
もともと敷いてあった畳の厚みと、新たに貼るフローリングの床高さを合わせる為にも、この「根太」は必要になります。
今回ホームセンターで売っていたベニヤ板は「900mm×1800mm」サイズだったので、
このベニヤ板の継ぎ目が根太の真ん中にくるように配置してみます。
(※ベニヤ板のサイズは910mm×1820mmのこともあるので注意しましょう)
根太の中央に配置できるようにベニヤ板が何枚になるか計算します。
ベニヤ板は大きくカットが大変なので、
できるだけカット回数が少ないように割り振るといいでしょう。
根太図面と合わせると位置はこのようになります。
根太の間に断熱効果のある「スタイロホーム」を敷き詰めます。
断熱材を敷き詰めないと、部屋が底冷えするので忘れないように!
サイズは根太図面を元に考えます。
部屋に対してどのようにフローリングを並べるかを考えながら配置します。
隣の列と互い違いになるように置くことで、お互いの板が浮くことを抑えてくれます。
部屋の中心部分から外側に広げるように配置すると、
部屋のフローリング模様がバランスよく見える仕上がりになります。
図面を元に材料の買い出しに行きましょう!
ほとんどホームセンターに売っている材料で作ることができます。
細かな消耗品や工具を除くと購入するものは、
・根太木材
・ベニヤ板
・スタイロフォーム
・フローリング
の4点です。
それぞれの材料の厚みは、部屋の元々の畳厚が約70mmだったので、
根太+ベニヤ+フローリング=70mmになるように計算します。
材料の厚みはこうなります。
根太=46mm
ベニヤ=12mm
フローリング=12mm
スタイロフォームの厚みは根太から飛び出ないサイズの40〜45mmを購入します。
下地からどれぐらい高さを出したいかは家により違うので、その場合は根太の高さで調整しましょう。
いよいよ現場作業の開始です!
畳は隙間にマイナスドライバーなどを差し込んで持ち上げれば意外と簡単に取れます。
畳を取ってみると、コンクリートの下地が出てきました。
畳の下には部屋の隅に木材の出っ張りがあったり、
コンクリートボンドの余りで膨らみがあったり、
想定していた場所に根太が置けない。ということがよくあります。
そんな時は、スクレーパーやヤスリによる除去、
電動マルチツールによる隅切りで邪魔になる突起を除去していきます。
電動マルチツールは隅切りができるので、こういったシーンでは活躍しますね。
部屋のサイズに合わせて、根太図面を元に角材をどんどん切っていきます。
手ノコギリだと、さすがに大変な量なので、電動丸ノコを使います。
墨付けをしたら、線のギリギリを狙って切ります。
卓上スライド丸ノコがあると精度が高く、とても楽に作業ができるのでオススメです。
幅を確認しながらカットした根太を仮置きしてみます。
この根太が大きくズレてしまうと、後々ベニヤ板を設置する時に困るので、
スタイロを置いてみたり、メジャーでよく測りながら並べます。
コンクリートと木材を接着する専用の接着剤を根太に塗って、配置していきます。
接着剤は根太前面に塗らず、玉を転々とつけていき、上からぎゅっと体重をかけて固定します。
今回は下地がコンクリートだったので、振動ドリルで下穴をあけます。
下地が木材の場合は普通の木工用ドリルで下穴をあければOKです。
コンクリート用ビスを打ち込んで固定していきます。
根太の隙間サイズに合わせて、スタイロフォームをカットしていきます。
スタイロフォームのカット方法は、太めのカッターナイフで2〜3回ほどを目安に切り込みを入れます。
そしたら折るだけ!とっても簡単です。
ちなみに、購入したスタイロフォームが微妙に足りず、
同じ厚みの発砲スチロールで代用しました。
断熱効果は若干下がりますが、発泡スチロールでも断熱効果はあります。
が、カッターで切る時にポロポロと崩れて掃除が大変だったので、
断熱効果も含めて基本的にはスタイロフォームがいいと感じました。
隅にもはめ込んでいきます。
断熱材をすべてはめ込みました。床っぽくなってきましたね!
次に丸ノコでカットしたベニヤ板を敷いていきます。
(ベニヤ板の丸ノコカットに自信がない!という方はホームセンターのカットサービスを利用しましょう)
なぜベニヤ板を敷くのかですが、
根太の上に直接フローリングをつけてしまうと、根太部分にしか止めることができず、
接地面が小さくなり、フローリングの固定も甘くなってしまうため、ベニヤ板を間に捨て板として挟みます。
並べる順番は仮置きをしながら、部屋の真ん中から並べることで、
端っこが入らない!という事態も防ぎやすくなります。
木材は湿気により膨張したり、収縮したりします。
設置は乾燥した寒い時期だったので2〜3mm程度隙間を空けるように配置します。
こうすることで、雨の日や夏場の軋み音がしにくくなります。
部屋の隅も少しあけておきましょう。
この写真のようにベニヤ板が根太ギリギリになってしまった時は、
ベニヤ板から斜めにネジを打ち、根太にもネジが届くようにしましょう。
(下の写真はベニヤ板が寄りすぎて、ちょっと失敗してます)
木工用接着剤を塗りながらベニヤをひたすら並べていき、ネジ止めをしていきます。
ベニヤ板は12mmなので、ネジの長さは25mm〜35mmもあれば十分です。
捨て板の設置完了です!
さらに部屋っぽくなりましたね。
フローリング図面を元に、仮置きしながらサイズを調節していきます。
意外と部屋が歪んでいることが多いので、
図面通りにカットしても思い通りに入らないことがあるため注意です。
部屋の両端などをサイズに合わせてカットしていきます。
丸ノコガイドや、ベニヤ板のあまりなどを使って丸ノコの当てにすると真っ直ぐ切りやすいです。
設置するときに気づきましたが、こんなところに柱の出っ張りがありました。
フローリングの高さ位置に墨付けをして
ノコギリで切り込みを入れて
ノミやマイナスドライバーで落とします。
切り込みができたら差し込んで解決です。
こういう小さなイレギュラーがいっぱいあるので現場合わせ床の施工は現場合わせになることが多いです。
フローリング部屋の端の部分(凹み側が壁に当たる面)はフローリングの幅をそのまま使えないので、
丸ノコを使って縦切りしましょう。
仮置きできたら、部屋の隅に寄せておきます。
一枚づつ除けてしまうと、せっかくの仮置きした順番がわからなくなるので注意です。
いよいよ実際にフローリング板を設置していきます。
フローリングを張る順番にフローリング用接着剤をベニヤ側に塗ります。
満遍なく塗り広げましょう。
部屋全体ではなく、取り付けるフローリング1枚分づつでOKです。
次に登場するのがこのPPバンドです。
よくダンボールや配達品を縛っているバンドですね。
フローリング板を購入した時についていたので、これを利用します。
フローリング板や壁との間に小さく切ったPPバンドを挟んでおきます。
こうすることで、湿気による板の伸縮が起こった際の逃しとします。
ちなみに、
このPPバンドを使う際は、必ず縦に入れましょう。
横に寝かせてしまうと、後で挟まって取るのにめちゃくちゃ苦労します!(体験談)
フローリングの固定方法は、接着剤と併用で今回はネイラーという特大ホッチキスのような工具でフローリング板を止めていきます。
ネイラーが用意できない場合は、フロア釘をハンマーで打ち込んでいきます。
フロア釘で仕上げる際は、下穴を開けていないと凸部分のサネが簡単に割れてしまうので、必ず下穴をあけましょう。
打ち込む角度は凸サネの角に45度で打ち込みます。
この時、打ち込みが甘く、飛び出ていると次の板が入らないのでしっかりと打ち込みましょう。
次の列は当て木をしながらハンマーではめていきます。
フローリングを敷き詰める用のハンマーもあり、とても効率的で楽に隙間が埋まるので、
広い部屋やフローリング枚数が方にはオススメの工具です。
どんどん敷き詰めていきます!
最後の列は少し難しいです。
前列までのように、スライドではめ込めないので、2枚を山折にしながらはめ込みます。
綺麗に入ったら、滑り止めのついた手袋などで寄せていきます。
木材の角を当てながら、ハンマーで叩くことで隙間調整もできるので、
最後のフローリング板周辺をバランス良く仕上げます。
全面フローリングが敷けたら、ピンタッカーや釘を使って、
凸サネがない場所のネイラーやフロア釘を打てなかった部分を、
浮き防止のために補強で打ち込んでおきます。
最後に部屋の淵にシーリング剤を流して隙間を埋めます。
今回は養生の必要がなく、水拭きで拭き取れる水性シーリングを使用しました。
溝に流し込んだら、雑巾でしっかりと拭き取るだけなのでとても楽です。
もし、幅木をつけれる場合は幅木をフローリングの上に取り付けても綺麗な仕上がりになります。
befor
after
befor
after
ウォールナットの木目が綺麗な床になりました。
今回は約7畳の部屋を畳からフローリングにDIYしました。
参考程度にかかった材料費は下記です。
根太木材 10,000円
ベニヤ板 10,000円
断熱材 10,000円
フローリング板 50,000円
接着剤、ネジなど消耗品 15,000円
合計で約10万円ぐらい。という感じです。
作業時間は、下準備も含めて丸々3日ぐらいでした。
一人での作業は少し大変に感じたので、できれば2名以上で作業できると効率良く進みそうです。
いかがでしたか?
個人的な感想では、フローリング張りDIYは部屋の形に合わせて調整しながら進めれば、
そんなに難しくなくチャレンジすることができたように思います。
なにより、綺麗な床がだんだん出来上がっていくのを見ていると楽しく作業することができました。
部屋や下地、張り方にも様々な方法があるので、今回は一例として参考にしてみてください。
・バッテリー丸ノコ
・卓上スライド丸ノコ
・マルチツール
・サンダーカーペンター
・コンクリート接着剤
・木工用接着剤
・フローリング接着剤
・スライドハンマー
エアーネイラー
フィニッシュネイラー
振動ドリル
インパクトドリル
水性コーキング
まだデータがありません。