2019年03月11日更新
DIYの仕上がりを決める塗装。塗料によっていろんな性質がありますが、なかなかわかりづらいことがたくさん。今回はDIYでよく使う塗料から質感まで変えられるおもしろい塗料の種類と、知っておくべき塗料の性質や特徴、塗り方のポイントまでご紹介します!
目次
DIYでよく使われる木材塗料の種類は大きくわけると5つあります。
アクリル顔料は最も知られている塗料の種類で、ターナー色彩のミルクペイントなど代表的な商品があります。素材の表面に顔料(塗料の原料)が付着する事で木目を完全に隠すことが出来ます。木の質感を消して塗料の色味を引き出したいときにおすすめです。木目が見えなくなる分ある程度の水もはじいてくれますが、強い水しぶきをかけると取れてしまうので注意してください。水がかからない場所にある室内家具の塗装におすすめです。
「ハケで二度塗り」アクリル顔料は1度の塗装だとハケ跡が残ってしまいます。少し乾いてきたかなというタイミングで薄く二度塗りすると、きれいに仕上がります。
同メーカーの同じシリーズ商品を混色すると自分だけの色がつくれて楽しいですよ♪※水性と油性での混色はうまく混ざらないのでご注意ください。
ステインは木材に染み込んで着色する塗料です。木目がはっきりと浮かびあがるので、木の表情を活かした仕上がりになります。表面に膜をつくらず染み込んでいく塗料なので汚れや傷は付きやすいですが、上から塗りなおすだけできれいになるのでメンテナンスはしやすいです。
「ハケで塗ってウエスでふき取る」ムラが出やすいので、ハケ塗りの後はすぐにウエスでふき取るときれいに仕上がります。しっかりと塗りこみたいときは、ハケでなくウエスで塗装してもOK!ステインも同メーカー同シリーズで混色可能なのでオリジナルカラーをつくれます♪
色が濃く染み込んでいくので古材のような風合いになります。水には弱いので、メンテナンスが面倒という人はキッチンまわりなどは避けた方がいいかもしれません。水がとんでくる場所でも、染みができたときに上からやすり掛けをして塗りなおしたりと、メンテナンスをするのであれば問題なさそうです。
ワックスはステインよりも色の染み込みは少ないですが、木目がしっかり浮かび上がるうえに光沢も加わり、高級木材のような仕上がりになります。ワックスは表面にとどまって汚れから守ってくれますが、熱に弱いものが多く温めると液化してしまいます。熱いやかんや鍋などを置くようなキッチンカウンターやダイニングテーブルには不向きです。
「布でしっかり塗りこむ」ウエス、もしくは着なくなった綿100%のTシャツなどで塗りこむとしっかり色が入ってきれいに仕上がります。スチールウールで塗ると研磨の効果も得られるので光沢もでます。
ステイン塗料のうえにワックスを重ね塗りすることで、色や仕上がりに一層深みを出すことができます!色見本もご覧ください。
乾くと表面で樹脂膜を形成して木の表面を保護してくれますので、汚れやシミがつきにくくなります。樹脂コーティングのイメージはプラスチックの層がのっている感じです。そんな強い塗膜のおかげで汚れや水に浸食されにくいです。ダイニングテーブルや椅子などの耐性が必要なものにおすすめです。
「ハケで重ね塗り」ハケで薄く均一に塗り、乾燥後はサンドペーパーで平になるように研磨してから薄く均一に重ね塗りをする。同じ工程を繰り返します。
カラー塗装してから透明のウレタンニスを塗って塗膜をつくりますが、着色とコーティングが同時にできる「着色ニス」があります。色ムラが出やすいですが、一度の作業で済むのでとても効率的です!表面がコーティングされているため上から別の塗料は塗れません。塗りなおす場合は、サンダーなどで一度表面を削り落とす必要があります。これが結構大変な作業なので、塗りなおさないことを前提で使用することをおすすめします。
通常の塗料によく使われる溶剤が一切入っていない地球環境に優しい天然塗料です。時と共に自然な風合いに変化していくビンテージな雰囲気を出せるのが渋柿の魅力です。時間の経過による味わい深い色への変化はとても面白いです。和のイメージが強いですが、取っ手や金具によっては洋風テイストにもなります。
「ハケで重ね塗り」ハケで薄く均一に塗ります。重ね塗りの場合はしっかり乾燥させてからになりますが、柿渋は日が経つほど色合いが濃くなっていきますので、日をあけて重ね塗りすることをおすすめします。
昔から日本の家具や床などに使われていた塗料で、防腐・防水・防虫・抗菌作用など、多くの優れた効能を持ちます。
木材に色をつけるのではなく、木材を別の素材風に変えてしまう塗料があります。
木やプラスチックなどを金属の質感や色合いを再現してくれる塗料です。ターナー色彩やタカラ塗料から販売されていて、どちらとも水性なのでとても扱いやすく、簡単にアイアイン風や金属風にできるので大変人気の商品です。テーブルなどの脚にアイアンペイントを塗ればアイアン脚のようにかっこよく仕上がります。
「ハケでたっぷり塗る」金属風に見せるには塗料に厚みがあった方がいいので、たっぷりめにつけるか重ね塗りします。重ね塗りはスポンジでポンポンと軽くたたくように上塗りすると金属の質感に近づきますよ。
アイアンや金属で家具や小物をつくる場合は溶接が必要になりなかなかDIYするのは難しいですが、アイアンペイントで手軽に質感を変えられるのでDIYの幅が広がりますね!木材と異素材の組み合わせは特におしゃれに仕上がります。
エイジング塗装の中でも錆び加工は塗料だけで再現できず大変難しいとされてきましたが、錆びの色合いに調色した専用塗料を使えば簡単に本物の錆びを表現できます。プライマーを使えば塩ビパイプも銅管のように仕上がります。
「ハケで塗って布でポンポン」まずベースとなる塗料をハケで塗ります。乾燥後に錆び色の塗料を小さな布やスポンジでポンポンと叩いたり、軽くこすったりしながら付着させていきます。本物の錆びを想像しながら水で薄めたり、色にも濃淡をつけます。
本物の錆びを表現するのに使う塗料は2色のみ。調色された下塗りの茶色だけでもいい感じの銅管のようになりますが、上塗りする黄土色でムラをつけることで更に錆び感がでます。上塗りの錆びを表現するムラ塗りが難しいように思われますが、適当な感じに色づけをしてもそれなりにかっこいい錆びエイジングが完成します。
サビエイジング塗料と同じく色んなものに塗れる水性塗料です。本物のコンクリートのように調色されたベース塗料と模様をつける塗料の組み合わせでリアルなコンクリートが完成します。この塗料は壁紙も対応していますのでコンクリート壁風に仕上げることが可能です。
「ハケで塗ってスポンジでポンポン重ね塗り」ベースとなる塗料をハケもしくはスポンジ刷毛で手早く塗りしっかり乾燥させます。3色の塗料を使用し、スポンジで叩くように塗り重ねながらコンクリートの模様をつけていきます。
打ちっぱなしのコンクリート風になる「サラサラのセット」と、ザラザラのコンクリートブロック風になる「ザラザラセット」の2種類があります。実際のコンクリートを使うDIYもいいですが、コンクリートエフェクトで手軽にコンクリートDIYが出来ます!
細かい金属を含んだ特殊な水性塗料で、塗るとその面に磁石がくっつくようになります。様々なメーカーから販売されていますが基本的な機能はあまり変わりません。日本メーカーのターナー色彩は販売しているマグネット塗料がおそらく一番使いやすいマグネットペイントです。ご家庭で使いきれるサイズなのも嬉しいですね。
「刷毛で重ね塗り後に仕上げ塗り」塗料をよく混ぜてから、刷毛もしくはローラーで一度塗りし、乾燥後に重ね塗りしていきます。塗料を重ねるほど磁石がくっつきやすくなりますので、どの種類も推奨している3度塗り以上の重ね塗りをしましょう。マグネット塗料は塗ったまま放っておくと金属が流れていくので、重ね塗りの乾燥後に水性塗料などで仕上げとして上塗りしてください。
マグネットペイントの上に好みのカラー塗装ができますので、家のインテリアにあうマグネットボードがつくれます。
黒板塗料は塗った面を黒板として使うことができる水性塗料のことです。乾くと耐水性になるので、書いたチョークは水拭きして消すことができます。ターナー色彩から販売しているチョークボードペイントは壁紙やコンクリート、ガラスやアクリルにも塗れますので、どんなものでも黒板に変身します。
「刷毛で2度塗り」刷毛もしくはローラーで1度塗りをし、乾燥後に重ね塗りをします。塗る素材がつるつるしているものは下地にプライマーが必要です。チョークを使用するのは完全乾燥する一日を経過してからとなります。
先ほど紹介したマグネットペイントと併用すれば、メモ書きからメモ貼りまでできる万能ディスプレイボードができます。店舗のメニューボードや学校行事のメモが多いご家庭におすすめです。
ザラザラした質感の下地をつくる下塗りベースの合成樹脂塗料です。上に塗る塗料の種類によって素材をアイアン風にしたり、アンティークな仕上げが可能です。壁紙やコンクリート、鉄部や塩ビパイプにも塗れます。
「刷毛でとんとんと乗せるように1回塗り」ザラザラベースをよく攪拌させてから、刷毛で塗料がのるようにとんとんと乗せて塗ります。基本は1回塗りなので乾燥後に好みの塗料を上塗りします。
ざらっとした下地が簡単につくれますので、どんなものでもアンティーク風な仕上がりになります。また、上塗りの色によりアイアン風やインダストリアルな塗装になります。
色を付けるだけの塗料から材質を変えてしまう塗料まで知っておくと、いろんなバリエーションの塗装が楽しめますし、DIYでもたくさんのアイデアが浮かんできますよ!
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